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時代小説もいいよ~霊験お初シリーズ [小説]

久しぶりにお気に入りの小説のお話を。

学生時代、江戸文学を勉強していたものの、それまで時代小説をあまり読んだことがなかったのですが、宮部さんの作品ということで、この時代小説を読んでみようと思いました。


『震える岩-霊験お初捕物控』
は、普通の時代小説とは少し違う趣のある作品です。
主人公のお初は強い霊感を持ち、それによって他の人には見えないものが見え、
そして事件へ導かれ、持ち前の正義感で事件解決に奮闘します。


ある日、お初は、人にはないあの目で、子供の姿を見ます。
お初にはすべてのことが、見えるわけではありません。
その犠牲者が残した強い「思い」を感じとり、出来事の断片を見ます。
お初が見たものを足がかりに、兄である岡っ引きの六蔵、友人の右京之介らとともに、
その事件を調べていきます。

やがて、身近で起きた事件と、過去に起きた誰もが知る大きな事件との係わりが見えてきます。
そしてお初たちは、すべての原因となった出来事を突き止め、その背景には
犯人とその家族に降りかかってしまった悲劇があったことも知ります。

彷徨い、暴れる敵と相対した時、お初は、過去にもこの悲劇を食い止めようとした人物から
不思議な力を与えられ、真っ向から戦おうと勇気をふりしぼります。
お初とともに事件を追ってきた右京之介の、切なく悲しい生い立ちとも重ねあわされ、
むかえるドラマチックな結末に涙しました。


まだ年若いお初が、周りの大人たちに助けられながら、自分の出来ることを一生懸命すべきだと
奮起する姿は、とても清々しくて好ましいです。

そのお初を支える人物のひとりに、実在の人物、南町奉行の根岸肥前守鎮衛が登場します。
この人物は、奇談、珍談を好み、聴き集めた話をまとめ、『耳袋』という随筆集を残した著者でもあり、
この物語の中では、不思議な力を持って生まれてしまったお初の心を解き明かしてくれる、指南役として描かれています。


時代小説に興味はあるものの、どれから読んだらいいかとお悩みの方は、
この作品から入ってみるのもいいと思います。
とても読みやすいですし、わかりやすく、生き生きとした江戸の情景が描かれていますので、
すんなり物語の中に入り込んでいけると思います。

興味のない方も、お初ちゃんと仲間たちの掛け合いなども、とても楽しい作品ですので、
とっつきにくそうな時代小説…という印象もすぐになくなり、肩肘張らずに読めると思います。

このお初シリーズは続編で『天狗風』もあります。

また、お初シリーズの原型ともいえる、短編の作品があります。
『迷い鳩』、『騒ぐ刀』という2作で、人物設定が若干異なるものの、
お初ちゃんが活躍する初めの事件ですので、重ねてご覧になるのもいいと思います。
(お話が続いているわけではないので、読まなくても大丈夫ではありますが)
この2作は、短編集『かまいたち』に収録されています。

生まれ持った特殊な能力の為、数奇な運命を生きねばならず、葛藤しながらもその人生を正面から受け入れ、正義感と純粋な思いやりの心で行動するお初ちゃんに、心打たれます。
お初ちゃんのファンになること請け合いですよ。


 

 

震える岩―霊験お初捕物控 『震える岩-霊験お初捕物控』(文庫)

 

天狗風―霊験お初捕物控〈2〉 『天狗風』(文庫)

 

かまいたち 『かまいたち』(文庫)【お初ちゃん登場作品は『迷い鳩』『騒ぐ刀』の2作】


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東野圭吾さんの笑える作品~毒笑小説 [小説]

東野圭吾さんといえば、『白夜行』、『手紙』、『秘密』など、映像化された作品も多く、
話題作をぞくぞくと世に出している、今をときめく作家さんのひとりですが、
わたしが一番初めに読んだ東野さんの作品は、これらのものとは趣きがちょっと違う、
『毒笑小説』という短編集です。

ププって笑ってしまうけど、後味悪い(笑)ような、笑えるブラックユーモア満載の作品です。 
他にこれと同じ趣きの作品に『怪笑小説』、『黒笑小説』があります。

短編のお話が何話かある中で、わたしが好きなのは「殺意取扱説明書」という物語です。
知人に殺意を持っていた女性が偶然ある本を手にします。
「殺意取扱説明書」と書かれたその本は、殺意をどう操作したらいいのかが書かれた本でした。。。
取扱説明書ですから、“準備”、“基本操作”、“初期化”などの項目があり、
どれも、もっともらしいことが書かれています。これがとっても笑えます。。

笑えますが、考えさせられることもある。大人の道徳の教科書といったところでしょうか。笑

わたしはその後、『時生』や『変身』、『放課後』などを読みましたが、
これらは、本当に同じ人が書いたのかと思わせるほどのシリアスでスリリングな作品で、
東野さんの作品の幅広さに驚きました。
男性作家さんですが、文章に使われる言葉がとてもやわらかい印象を受け、
女性作家さんが好きなわたしですが、東野さんの作品を好んで読んでいます。

毒笑小説 毒笑小説(文庫)

怪笑小説 
怪笑小説(文庫)

時生 
時生(文庫)


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乃南アサさんの音道シリーズ [小説]

宮部みゆきさんの次にわたしがよく読むのは、乃南アサさんの作品です。
中でも、『女刑事 音道貴子シリーズ』が好きです。
主人公の音道貴子は女刑事で、男社会の警察組織の中で、女なんぞという偏見をもたれながら、
真っ直ぐに事件に立ち向かう、たくましく、かっこいい女性です。

音道貴子は『凍える牙』とういう作品で初めて登場します。
『凍える牙』は直木賞を受賞していますので知っている方も多いかと思います。
この作品を妹から薦められ、乃南アサさんを知りました。
(基本的にわたしが新たな作家さんを開拓しようとする時は、妹に教えを請う)
『凍える牙』には、ウルフドッグという種類の犬がでてきます。
ウルフドッグっちゅうくらいだから、狼の血が入っているので、
飼育するのが難しいらしいのですが、とてもキレイで賢い犬だそうです。

この犬と事件の絡みがどうなんだという人もいるらしく、賛否両論になってるんですが、
わたしはこの犬に哀愁を感じてジーンとしたりして、これはこれでいいんじゃないかと思ってます。
この後、音道シリーズとして長編と、短編連作集が何冊か発行されてます。
長編の『鎖』は、とてもスリリングでおもしろいです。
警察内部の軋轢みたいなものや、捜査の仕方など、割と細かく描写されているのも興味深いです。

ともあれわたしには到底できそうもない、辛く厳しい刑事とういう仕事を、
凛とした態度でこなしている、けど時折グチを言ったりもする。笑
わたしと同年代の音道貴子という人物がとても魅力的なので
音道がんばれ、負けるな音道と、応援したくなり、作品に惹きこまれていったわけです。 

凍える牙  凍える牙(文庫)

 

鎖〈上〉鎖〈下〉  鎖 上・下(文庫)              

 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人 未練―女刑事音道貴子         
嗤う闇―女刑事音道貴子 女刑事 音道貴子シリーズ 短編連作集(文庫)


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宮部みゆきさんに救われて [小説]

わたしは読書が好きです。女性の作家さんの作品を好んで読みます。
宮部みゆきさん、乃南アサさん、さくらももこさん。。。
その中でも、出版されたものほとんどすべて読み漁ったのは宮部みゆきさんの作品です。

わたしが初めて読んだ宮部みゆきさんの作品は、『魔術はささやく』です。
そうです。このブログのタイトルもそこからいただきました。
リスペクトゆえですので、許していただけますでしょうか。

とある日、妹がリビングで泣きながら本を読んでいました。
なんの本を読んでいるのかと問いましたら、この『魔術はささやく』で、
ぜひ読んでくれというので、手に取りました。
この作品の良さをわたしなんぞが語るのも恐れ多いのですが、
一筋縄ではいかないストーリー、魅力的な登場人物、
事件が解決した後に主人公の少年が直面する、与えられた過去への絶望と決別。
スリリングで、感動的な作品です。読んでないという方はぜひ一読いただきたいです。
本を他人に薦めるというのはどんなんかなーと日ごろは思ってたりするんですが、
それでも薦めたくなるくらい好きな本なので。

タイトルの救われたというのは決して大げさなのではなく、
宮部さんの作品で、とても辛かった時期にわたしは救われました。
そんな本に出会えたこと、幸せに思ってます。
みなさんにもそんな出会いがありますように。

 魔術はささやく魔術はささやく(文庫)

 

 

 


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